埼玉県や東京都を中心に「水ぼうそう(=水痘)」が異例の流行を見せており、医療機関から警戒の声が上がっています。通常は子どもがかかるイメージが強いこの感染症ですが、大人が発症した場合には重症化の恐れもあるため、幅広い年齢層で注意が求められています。今回は、なぜ水ぼうそうが今流行しているのか、感染経路や注意点についてまとめます。
史上初のペースで感染拡大!「注意報」発表相次ぐ
埼玉県では、2024年4月初旬から患者数が増加傾向にあり、5月14日には県として「流行注意報」が発表されました。5月5日~11日の1週間で、1医療機関あたりの報告患者数が1.43人に達し、これは国の注意報基準(1.0)を上回る数値です。前年同時期の2倍以上であり、現在の統計方式が始まった1999年以降で初の事態だといいます。
東京都でも6年ぶりに5月1日から注意報を発令。都全体の患者数は国基準を下回るものの、都内31の保健所のうち10カ所で基準を上回ったため、独自に注意報を出しています。注意報は現在も継続中です。
「子どもの病気」ではない? 大人にも忍び寄る水ぼうそうのリスク
「水ぼうそう=子どもの病気」というイメージが一般的ですが、実は大人も発症する可能性があり、しかも症状は子どもよりも重くなる傾向があります。国立健康危機管理研究機構によれば、患者の多くは9歳以下ですが、大人にも感染し得るとのこと。
特に大人の場合、発疹の前に1~2日の発熱やけん怠感が現れるなど、子どもとは異なる経過をたどることがあります。子どもは比較的軽症で済むケースが多い一方、大人は肺炎や脳炎などを引き起こすリスクがあり、妊婦は胎児への影響を含め、より注意が必要です。
感染力はインフル以上!? 家庭内感染率は驚異の90%
水ぼうそうの感染力は非常に強く、1人の患者から平均8〜10人にうつるとされています。主な感染経路は「空気感染」「飛まつ感染」「接触感染」の3つ。家庭内に感染者が出た場合、未感染の家族が発症する確率はなんと約90%にものぼるといわれています。
感染が広がる時期は毎年12月から7月と長期にわたります。症状としては、全身にかゆみを伴う赤い発疹ができ、短期間で水ぶくれに変化。治ると通常は終生免疫が得られるため、原則的には再感染しないとされています。
治っても油断禁物!帯状疱疹のリスクも
水ぼうそうの原因ウイルス(VZV=水痘帯状疱疹ウイルス)は、一度感染すると体内に潜伏し続けます。そして、大人になって免疫が落ちた際に再び活動を始め、「帯状疱疹」として現れることがあります。特に高齢者やストレス、病気などで免疫力が低下している人は要注意です。
感染対策と今後の対応は?
感染拡大を防ぐためには、基本的な感染対策が重要です。予防接種は非常に有効であり、定期接種の対象となっていない大人でも、自分が感染歴がないか不明な場合は、医師と相談の上、ワクチン接種を検討するとよいでしょう。
また、家庭内に感染者が出た際は、別室での隔離やマスク着用、こまめな手洗いなどを徹底し、感染の拡大を防ぐ必要があります。
まとめ:油断大敵、水ぼうそうの“今”に注意!
「水ぼうそうは昔の病気」「子どもしかかからない」という認識は、もはや通用しません。今まさに異例の流行が起きており、大人も含めた社会全体での警戒が必要です。予防接種や早期の受診を通じて、感染拡大を防ぎましょう。
