40歳。月の小遣い1万5000円。給料は上がらず、住宅ローンと教育費が肩に重くのしかかる。家では会話も減り、自分の居場所がなくなりつつある……。そんな人生の底で拾った一冊の古びた手帳が、投資歴70年、総資産24億円の現役トレーダー・シゲル氏との出会いにつながった。彼が教えてくれたのは、資産と人生を変える“お金の授業”だった。
■「今日は売りやで」
「また注文するんですか?」
そう尋ねると、シゲル氏は湯呑みに口をつけながら
「当たり前や。今日は相場が高い、売っていくで」
と当然のように答えた。
■株価を見るときに使う「指針」
僕が「何を見て判断するんですか?」と尋ねると、
「1つは日経平均やな。ニュースでもよく見るやろ?」
と返ってきた。名前は知っているが、詳しい仕組みまではわからない。
「おいおい……何も知らんな」
と肩をすくめたあと、丁寧に教えてくれた。
■日経平均は誰が選んでいる?
日経平均株価は、日本を代表する企業225社の株価を平均して算出したもの。しかし意外なことに、それを選んでいるのは取引所ではなく日本経済新聞社だ。東証プライム市場上場企業の中から同社が選定し、その平均値が毎日公開される。
■株が売買される“舞台”
株式市場を語るには、そもそも「どこで売買されているのか」を知らなくてはならない。国内最大の取引所が東京証券取引所(東証)で、ここに多くの大企業が上場する。
2022年に市場区分が見直され、現在は
・プライム(大企業向け)
・スタンダード(中堅)
・グロース(成長企業)
の3つに再編された。
■かつて大阪にも取引所があった
大阪にも証券取引所が存在していたが、2013年に東証と統合され、現在は独立した取引所としては残っていない。シゲル氏は「ネットがなかった頃はよく通った」と懐かしそうに語る。
■上場企業は約3900社
では日経平均の構成銘柄は、どれほど狭き門なのか。
現在、東証に上場している企業はおよそ3900社。その中から選ばれている225社だけが日経平均を構成している。
つまり、日本を代表する企業の“ごく一部”だけが指数に組み込まれているのだ。
■有名企業ばかりではない
構成銘柄には
・トヨタ
・ファーストリテイリング(ユニクロ)
・ディスコ(半導体関連メーカー)
など、誰もが知る名前が並ぶ。しかし多くの投資初心者は、日経平均を見ていても「何がどう影響して値が動いているのか」まで理解できているわけではない。
■ここまで知って、やっとスタート地点
日経平均は“ただ現在位置を示すだけの指標”。相場が高いか安いかを見る「温度計」にすぎない。
本当に値上がりする株を見つけるには、その裏にある企業、業績、将来性、そして市場の流れを読み取る必要がある。
銘柄ごとに特徴や背景を理解し、投資先の本質に目を向けられるかどうか──
そこに「お宝株」を見つけられるかどうかの差が生まれるのだ。
人生が変わる投資の知識は、いつだって静かに、そして身近なところに転がっている。
